小説の墓場

「ゆいレール」は続くよどこまでも ㉑

 

「藤堂マネージャー、ちょっとよろしいですか?」

 

コンビニのゴーヤチャンプルー弁当を苦々と食べとったら、スタッフ数人が集まってきた。

なにやら販売成績の悪いスタッフがこのままではクビになるから助けてやってほしいと。

私達の売り上げをまわすから、そのスタッフの販売成績をこっそり調整してやってほしいと。

 

「お前らの給料が減ってもええんか?」

 

と聞くと、それでもいいから何とかしてくれと。

みんな彼女から元気をもらっているからと。

生存競争の激しいこの戦場のような職場でもこんな友情も芽生えるんやと、俺は感心した。

 

「オッケー、俺にまかしとけ」

 

と言いながらもちょっと胃がキリキリと軋みよった。

あの厳しい外人社長に頭さげて俺が計算ミスしたことにするか……。

 

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階段を駆け上がってゆいレールに乗る。やっぱり息があがる。

車窓からは那覇の街並みが見下ろせる。

車は渋滞しながらも少しずつ進んでいる。

街は熱気に包まれ、そして活気で溢れている。

 

「みんな、なんやかんやと、よう頑張ってるよなー」

 

中吊り広告に「あなたの好きな島言葉は?」と書いてある。

キャンペーンらしい。

 

窓にうつる自分の顔を見る。

 

M字型に禿げ上がった頭。

 

おもしろなさげな目つき。

 

疲れきった表情。

 

 

あかんあかん、俺もみんなを元気にせなあかん。

 

「ちゃーがんじゅう(*5)」や。ちゃーがんじゅう、そうや、いつも元気や。