小説の墓場

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

「ゆいレール」は続くよどこまでも ⑬

小禄駅(おろくえき)

駅の東側に市営住宅、西側には大型ショッピングセンターがある。

 

ゆいレールの開通で利便性がよくなり、区画整理された街には、

色々な店舗や飲食店、ビジネスホテル、学校、福祉施設なども充実。

 

駅には、タクシーや自家用車の乗降場のための交通広場も整備されている。

 

駅到着時の車内チャイムは、

沖縄民謡「小禄豊見城(うるくとぅみぐしく)」を編曲したものが流れる。

 

f:id:furimoon:20161209202014j:plain

 

小禄駅における、沢田孝太郎(埼玉県川越市出身、25歳)の左遷編

 眠りかけていた。

小禄駅到着を告げる「小禄豊見城」(うるくとぅみぐしく)が

僕をやさしく起こしてくれる。

また終点の那覇空港駅まで乗り過ごすところだった。

 

今日もいつもの居酒屋で飲みすぎてしまった。

小禄駅前のジャスコで明日の朝食用のパンを買う。

ここは深夜まで営業しているので一人暮らしの僕にはありがたい。

 

枕並みの大きさの「なかよしパン(*1)」これが最近のお気に入りだ。

 

千鳥足で部屋に着く。

この部屋は会社が用意してくれた部屋だ。

家賃も会社が支払ってくれている。

給料もまずまずいいほうだし、ボーナスもある。

いい会社である。

 

ただ、ここが沖縄でなければ。

 

真っ暗な部屋に明かりをともす。

まとわりつくような蒸暑さが僕を包む。

すぐエアコンの電源を入れる。

16℃の急風。

もちろん電気代も会社持ちだ。

実にいい会社だ。

 

もちろんここが沖縄でなければ。

 

冷蔵庫を開けて大量に買い込んであるオリオンビールを飲む。

 

やっぱりここは沖縄なのである。

 

朝八時、ゆいレールに乗って出社する。

東京のラッシュアワーがメジャーリーグだとすると、ここは少年野球だ。

五つ目の駅である美栄橋駅へ向かう、もちろん途中で海も見える、ここは沖縄だ。

 

駅から徒歩五分で職場に到着、東京での通勤時間がハリウッド映画だとすると、

ここはさしずめ文化祭の寸劇だ。

 

冬が終わる頃まで、たしか僕は東京の寒空の中にいた。

混み合った丸の内線の電車の中で僕は何をやっていたのだろう。